ミクロデントとはabout
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ミクロデント処理は通称「低温黒色クロムめっき」と言われ、
クロムめっきの一種であるミクロデントめっき及びその上に様々な塗装を施す表面処理で、
一般的にイメージされる「めっき」とはかなり異なった特徴を持っています。
その特徴を活かして多くは産業用機械部品等の表面処理として使用されており、
現代の産業用機械部品には欠かせないものとなっております。
処理の特長
ミクロデント処理にはいくつかの特徴があり、特殊ながらも様々な用途に幅広く使用されています。
薄膜・防錆
1μm前後の薄膜であることが、ミクロデントめっきの特徴の一つです。
半導体は集積度が増し微細化は常に追求されており、そのため使用する製造装置はもちろん高精度でなければなりません。
ミクロデント処理は高精度が要求される半導体製造装置やFPD製造装置等で数多く使用されています。
ミクロデントめっきは1μm程度と薄膜であっても、無電解ニッケルメッキや亜鉛メッキの5μm以上に匹敵する防錆性能が確認されています。
(JIS Z 2371 中性塩水噴霧試験結果による比較)
さらに防錆油・グリース等を使用すれば、長期間の防錆が期待できます。
また、ミクロデントめっき上に様々な塗装を施すことで防錆力が向上します。
マットな黒色
艶のない黒色であること。これにより光が全反射せず、拡散・吸収されます。
この特徴は産業用機械で多用される光学センサー使用環境において大変有利で、レーザー光の反射によるエラーを低減できます。ミクロデント処理を光学センサーと組み合わせることによって、品質の安定・向上が期待できます。

ミクロデントめっきの
特殊構造がもたらす機能
ミクロデントめっきは微粒子が凝集した特異な多孔質構造を持っており、めっき膜中に複雑な空隙が存在しています。
またミクロデントめっき生成の第一段階として母材表面がエッチングされ小さな凹凸ができることで母材―めっき界面の面積が増大し、高い密着が得られます。

密着性
ミクロデントめっきのみで使用する場合には、膜中の空隙に油等を取り込むことが可能で潤滑油、潤滑用グリースとのなじみが良く、膜中に油を保持することで摺動部品の耐摩耗性向上、さらに防錆力の向上が期待できます。
一般的に、金属部品へ塗装を施す場合は密着性を高めるためプライマーなどの下塗りが必要となりますが、ミクロデントめっき上に塗装を施す場合には、膜中の空隙に塗料が侵入することでアンカー効果が得られミクロデントめっきがプライマーとしての機能を果たします。その結果塗膜の密着性が向上し、かつ下地であるミクロデントめっき膜が防錆能力を持っていることから、膜厚を抑えながら充分な防錆性能を発揮できます。

柔軟性
ミクロデントめっきは微粒子の集合体であるため、母材である部品が変形してもミクロデントめっき膜は追従し、割れ・剥離を起こしません。
その上に塗装を施した処理型式(SL等)においても、塗膜が薄いため母材の変形によるヨレ・割れ等を起こしません。


処理工程


1 洗浄
真空洗浄乾燥機の導入により、
油残りによるめっき不良を極限まで抑えられます。



2 めっきライン
あえて手動ラインとすることで、各製品に適した処理を施します。
排水は、工場内で再生・循環させることによって環境負荷を最小化させています。




3 塗装(+焼成)
塗装作業環境の改善としてオイルブースを導入することにより、環境中への塗料ミストの飛散を防ぎます。
一部の塗装に使用する所末糸として、高精度に温度管理が可能な焼成炉によって安定した品質を実現します。
4mクラスの長尺物までの処理が可能です。


製品実績
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対応可能材質 |
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